ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 213号

今日もお越しいただきありがとうございます。
すっかり更新忘れてました。先週のひとつぶ便りです。

お野菜の注文もお待ちしていまーす。

ひとつぶ便り 213号(2015年7月24日便)

 いつもありがとうございます。先週の台風が通り過ぎて、長野県(くくりは「関東甲信」)も梅雨明けの発表がありました。連日の30℃。暑いです。八千穂の短い夏が来ています。今日、ズッキーニの収穫をしていてふとした瞬間、涼しい風が吹いてきて、なんだか「はっ」とさせられました。すごく気持ちよかった。優しい風。それで心の景色が変わる。なんでもないことのようで、結構大きないい衝撃をもらいました。子ども、大人、様々な人と関わる中で、こういう風を吹かせられるようになりたいなとか、思いました。今のところ全然、できないんだけど。
 日曜、月曜と、小麦を刈って干しました!日曜日は僕の両親が手伝いにきてくれていたので、がっつり作業してもらっちゃいました。助かりましたありがとう。これから少しの期間干して、乾いたら脱穀です。干した感じ、結構量もありそうです。
今週のお野菜
 梅雨が終わり、気候はすっかり真夏ですが、野菜セットも真夏の色になってきました!トマト、ミニトマト、いんげん、なす、ズッキーニなどなど、色々と採れてきました!3月に種をまき、苗を育て、定植し、草をとり、大切に育ててきた実もの野菜たちです。お楽しみください。僕らも食べられるのが嬉しいです。新じゃがも入ります。世の中的にはありふれた野菜ですが、人参と玉ねぎは僕らはかなり苦手なので、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎが揃うのはうちの農園では珍しく、貴重な機会だったりします。

つわり近況
 ゆっこさんはまだつわり中(現在12週目)ですが、先週末あたりから少しはマシになってきたようです。一日食べるものに困っている、ということはない感じだし、ちょっとは動けています。あと、野菜もあまり食べられない中でトマトは美味しく食べられるので、この時に間に合ってよかったなと思います。あと最近はイタリアンが美味しく食べられるもののようです。これはゆっこさんはもともと好きなもので、「いつも食べないものを食べる」パターンとは違うようです。ちなみに上の子、葉菜(はな)ちゃんのときはラーメン、下の子、花野(かや)ちゃん(3歳)のときはカレーなどをよく食べていました。異国のものですねいずれも。現在は味噌は全然食べられないし、醤油もそれほど食べたくないようです。あと、依然としてお米が食べられません。一粒も食べられません。というように、まだまだつわり中ですがいちばんひどかった時と比べるとかなり良くなってはいます。最近は自分で料理する気力と体力もあることが多いので、その分僕も楽だし、美味しいものが食べられて嬉しいです。

誕生日
 今月18日は僕の誕生日で、31歳になりました。毎日が特別な一日で大切なものですが、それを思い出す意味でも誕生日とか、記念日というのはとてもいいものだと思います。新しく何かを決意する、とかいうのにもいいですね。自分個人のこととして全体的に、間違った方向に進んではいないと思いますが、抜本的に見直したり、変えていきたいことも色々とあります。やっていこうと思います。

 31歳という年齢が例えばサラリーマンとかだとどういう年齢なのか、よくわかりませんが、農家としてはいちばん若手の部類です。僕は22歳のときにこの世界に入っているので、その時から今まで、有機農家仲間とかではなかなか年下に出会いません。同世代は結構周りに多く、これは恵まれていることなのかもしれません。でもその下の世代が続いてきていない気がします。気になるところ。また、僕が長野に来て7年ほど経ちましたが、7年前から知っている年配の方々を見ると、だいぶ年をとったのを感じます。7月は地域の草刈りなどが重なってきます。これは主に刈り払い機という機械でやるわけですが、人間が歩きながら、振りながら刈る機械なので、乗って使うようなトラクターなどと違ってそれなりに体力を使います。高齢化が進んでくれば、やれない人も多くなるし、若手の負担も増します。こういうところからも、農村から人は離れていく、という構図があります。感覚的にたぶん、僕らの住んでいる地域は東北の過疎地域と比べて10年ぐらいその危機に直面していくのが遅い感じですが、どんどん危機が迫ってくるのも感じます。人がいなければ、畑は荒れ、道も荒れ、農村は荒れ果てます。東京にいた頃は知りませんでしたが、畑も農道も水路も、人の手無しには維持していけないものです。今それがここにあるということは、それを拓き、維持してきた人たちがいるということ。特に僕らの住んでいるような山の中の畑は、放置しておけばすぐに木が生えて、森に還っていきます。そういう場所も既に、見かけます。
 農村というものをこのまま、ただ衰退させていいものだとは思えません。都会の人口を、人手を、もう少しこちらに回すことはできないものでしょうか。過密に植えられた植物は、病気になりやすいです。都会には、そういう過密が見えます。もう少しうまいこと分散できたらいいのになと思います。
僕らの住む柳沢集落は、12世帯くらいの小さな集落。人も、土地もとても気持ちのいい場所だと思っています。空家はほぼ無く、僕らも含めて若い世代も結構いるので、他の地区から羨ましがられたりするほどですが、それでも高齢化の波は感じます。なんとか、この素敵な集落を維持していきたいものです。

 それはともかく、また1年、生きてこられました。僕以外の全ての人やものから僕ができています。ありがとう。そしておめでとう。全てに。
 ちょっと今、自分が立ち会った2回の出産について思い出していました。これは特に葉菜ちゃんのときに思ったことですが、出産というのは母と子の共同作業なんだなと。ゆっこさんも、葉菜ちゃんも、すごくがんばっているのがよく分かりました。こういうことを、母と僕もまたやったのだと思います。よく、がんばったなぁ。どのような形で産まれるにせよ、赤ちゃんが空気のもとに出てくること、これは奇跡と呼ぶほかないと思います。
 何ができる、できない、どのくらいできる、できない、それが人間の価値。僕らはしばしばそういう能力主義とでも言うような考えの奴隷になっていますが、それは誤りだと強く思います。命の価値は、産まれた時から死ぬときまで、何があっても変わるものではないと思います。僕が例え今持っている能力の全てを失ったとして、それでも命の価値は何も変わりません。それは能力があるから認められて、ないから認められない、なんてものではないはずです。全ての命が、命のないものが、そこにただあるだけで、認められていいものだと思います。もっと目を開いてものを見ていきたいです。今、この場所で。  健
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ひとつぶ便り 212号

今日もお越しいただきありがとうございます。
そういうつもりでもなかったんですが、書いていたら安保法案のことだけで紙が埋まってしまったという次第。まぁ先週は新じゃがやらナスやらが初登場で、ミニトマトも入る人には入ったりしたし、夏っぽいセットになってきております。今週はトマト、ミニトマト、がっつりいけそう。ご注文もいつでもお待ちしております。こちらからどうぞ。

では先週のひとつぶ便りっす。

ひとつぶ便り 212号(2015年7月17日便)
 いつもありがとうございます。暑くなりましたね!先週の出荷の時は雨、そしてとても涼しかったのですが、それを忘れるくらいの連日の暑さ。農作業、すごく消耗しますがそれでもこのあたりは湿度がとても低いので、同じ30℃でも東京とかに比べるとかなり過ごしやすいと思います。そして僕らが住んでいるところは標高1000メートル近いので、朝晩は結構涼しくなります。肌寒いほどに気温が下がります。熱帯夜がないのです。僕は練馬の出身で、寝苦しい夏の夜をよく知っているので、この夜の涼しさのありがたみはよくわかります。

安保法案強行採決について
 今日(15日)、安保法案(戦争法案)が強行採決されたそうで。恐ろしいことだと思います。自民党に投票した人たちとか、右翼と呼ばれる人たち、支持する人たちは、安倍首相の言葉を本当に信じているのですか?日本が戦争できればもっといい国になる、と思っているのですか?それ自体、全く間違った考えだと思いますが、安倍さんと今の政府がまずそんなこと思っていないでしょう。簡単に言ってしまえばアメリカの言い成りで、アメリカに逆らえないだけってことだと思います。今回の安保法案にせよTPPにせよ沖縄のことにせよ。アメリカに従うことだけが日本の生きる道、と思っているってことだと思います。そんな思いは隠せると思って、騙せると思ってそれをやっているわけで、僕ら国民はずいぶんと馬鹿にされたものですが、中でもいちばん馬鹿にされているのは、騙されているのは右翼と呼ばれる人たちではないかと思っています。左翼と呼ばれる人たちは安倍さんを蔑視し侮辱し攻撃し、右翼と呼ばれる人たちは安倍さんを崇拝する。どちらのやっていることも違います。そういうことをしている人たちは、世界や自分をもっと深く見ることを覚えて欲しいなと思います。もちろんそれは、僕のことでもあります。正しく見ていかなければ、間違えるばかりです。
 たぶん、国民のほとんどが無関心です。マスコミは政府の言い成りで、そうなるように仕向けられています。NHKは今日の委員会を中継しなかったそうです。でも今夜も国会前では数万人規模のデモが行われています。そこへ行かなくとも平和を願う人たちが日本にも世界にも、たくさんいます。どうか、国として、誰も殺さず、殺されない世界を目指してほしい。僕は目指します。
他の分野も同様だと思いますが、有機農業をしている人、志す人にもそれぞれ、健康とか環境とか味とか、色々な入り方、目指すところがあります。それぞれ、違います。僕らはどういうところが強く思うところかというと、「平和」。どこかの誰かから奪ったもの、奪った命の上に、僕ら日本人の生活は成り立っています。何も考えずにものを買えば、戦争を応援することになったりもします。そういう部分への加担を少しでも減らしたい。それは僕らに奪われる「被害者」の為だけでなく、僕ら奪う側の人間の為でもあります。誰かから奪って自分たちだけ幸せ、というのは有り得ないのです。そう見えたとして、決してそうではありません。奪われる側も、奪う側も苦しむのだから、その構造はやめた方がいいのです。もっと他の方法を探らなければ。
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」って、憲法の前文の一節ですが、何度読んでもしびれます。「憲法はアメリカに押し付けられたものだ」と、安倍首相とか右翼の人たちは言いますが、これ、そんなことどうでもいいと思います。この文章の底には魂が見えます。表面的な言葉遊びではなく、深く熱く優しい思いから出てきている言葉だと思います。一方的に押し付けられたというものではないし、仮に押し付けられたものだとしても、何も悪いことはないと思います。
 
 こういう憲法があって、もう戦争は嫌だと思う人たちがいて、戦後の歴史が作られていったのでしょうが、根強く戦争をしたいと思う人もまた同時に、たくさんいたということ。それがずっと、権力の中枢にもいたということ。今回の戦争法案が通ってしまったことは恐ろしいことなのだと思いますが、それはずっと受け継がれてきた流れの結果。憲法にある「専制と隷従、圧迫と偏狭」って、日本のキャッチフレーズみたいです。これを無くそうとするのではなく、どんどん強化しようとしています。国内においても国外においても。そして全世界の国民に、恐怖と欠乏を与えようとしている。本当に、ひどい国だなと思いまず。フィンランドとかスウェーデンとかとかコスタリカとかキューバとかドイツとか、色々な方面で良いなと思う国がたくさんあるけど、日本はものすごく魅力が少なく感じます。人の権利とか教育とか、平和とか、すごく大切な面において。例えば日本は女性に対して、子どもに対して、少数派の人間に対して、あらゆる場面で差別的で暴力的です。それが当たり前すぎて気が付いていない人もとても多い。この社会、美しくなんかありません。差別が、暴力が、そういう心が、美しいはずありません。僕らは誰でも経験して知っているはず。その嫌な感じを。そして美しいものも知っているはず。思いやる気持ち、慈しむ気持ち、心からの感謝、深いところで共感する喜び、そういうのが美しいものだと思います。なんとしても子供を守る、というお母さんたちの強い思い、そういうものが美しいものだと思います。全てを実現している国なんてないと思うけど、差別のない社会、平和な社会、そういうところを目指している国はたくさんあると思います。そういう心が根底に流れている国には、いいものがたくさんあります。おもちゃとかを見るだけで国の精神の違いがわかると思います。日本は例えばきちんとしたメーカーが生き残れないのだと思います。ただお金が儲かればいいという思想のもとに作られた薄っぺらい商品、薄っぺらい言葉が世の中にあふれています。僕らはそれしか選択肢を持っていなかったり、それに騙されたり、満足したりしています。日本はこういう憲法を持っているのに、平和な世界と社会を目指してすらいなくて、本当に残念。その良くない方向へさらに加速させようなんて。
 国が国としてやれること、僕ら一人一人がやれること、たくさんあると思います。平和の為にできることは、アメリカの言い成りになって戦争を支援することではありません。それは例えば医師の中村哲さんのように、アフガニスタンに井戸を掘って灌漑することとか、医療の支援を行うとか、そういうこと。お金を使うならそういうところに使ってほしい。直接的に紛争解決に関わる専門家を増やすとか、そういうことにお金と知恵を使ってほしい。積極的平和主義って、そういうことでしょう?
 僕ら一人一人が日々できることもたくさんあります。例えば食べ物を選ぶこと、使う言葉を選ぶこと、目の前のものがどのように作られ運ばれてきたものか知り、考えること。僕が今この場所でできることが果てしなくあります。今、息をしていること、気がついていますか?今、微笑んでいますか?幸せはいつでも今この場所にあります。感じましょう。生きていることを。平和は、可能です。今。     健


ひとつぶ便り 211号

今日もお越しいただきありがとうございます。毎日暑いですね。

先週のひとつぶ便りでっす。

ひとつぶ便り 211号(2015年7月10日便)
 いつもありがとうございます。今、静かな夜です。今日もほぼ一日雨でした。よく降りますね。僕らの住むこの地域は基本的によく晴れるところで、例年、梅雨もそれほど降らないで結構晴れている印象ですが、今年はよく降ります。降らなくても曇っていることも多く、気温も低め。涼しい日が多いです。過ごしやすい。人間は過ごしやすいですがそれは夏野菜たちにとってはやや低温ということ。また雨が多い分、草は伸びやすかったり病気がでやすかったりしますが、夏の実ものたちはそれなりに順調に育っているように思います。これで晴れた暑い日があると、一気に大きくなったり色づいたりしそうです。予報だともう少し涼しい日が続きそうですが。晴れが続けば雨のありがたみがわかるし、雨が続けば太陽のありがたみがわかります。今は晴れが欲しい!
 雨の日は雨の日で土手草を刈ったりハウスの仕事をしたり鉢上げをしたり、色々とやることはあります。迫るたくさんの作業になかなか追いついていませんが、それぞれのことを結構楽しくやっています。

今週の野菜セット
 雨の中でも色々と野菜たちはがんばってくれています。今がんばってくれている、と書きましたが野菜たちは僕らの為に、誰かに食べられる為にがんばっているわけではありませんね。生きる為。命をつないでいく為に、彼らはいつでも淀みなく全力。何が起こっても、その時々、最善な方法を選択して見事に生き抜いています。例えば僕らがブロッコリーを収穫しても、茎が残っていればまた脇芽が出て、放っておけば花を咲かせて種をつけます。どんな野菜であれ、人に収穫されようとと鹿に食べられようと、残った茎とか根で再び花をつける為にがんばり、なんとか種をつけようとします。ひたむきとか、そんな言葉では足りない、その生き抜こうとする姿勢の美しさ。心が熱くなります。命をつなぐその営みのどこかを、僕らはいただいています。ありがとう。
 
 ブロッコリーが絶好調でたくさん入ります。この時期はすぐに花が咲いてしまうので、お早目にお召し上がりください。茹でて置いておけばいつの間にかなくなる美味しさです(笑)。僕らが点在して借りている畑のうち、2年目から使っている畑でとれたもの。最初の頃に比べてだいぶバランスがとれた、とても良い土になってきたと思います。何でも育てやすいです。
 夏の実ものはまだズッキーニくらいしかありませんが、ナスやトマトなども現在順調に成長中です。晴れたらどかーんととれるのではないかと思いますがまた次回以降、お楽しみに。

つわり近況
 3人目を妊娠中のゆっこさんはただいまつわり真っ最中。かなり辛そうです。なかなか動くこともできず、食べられるものもかなり限定されています。何が食べられるのか、それを毎日探っていますがなかなか正解にたどりつけていない時も多い。背中から腰にかけてのマッサージはなかなか有効。腎臓のあたりが特に効くみたいで、毎日よく押してます。それを見た花野(かや)ちゃん(3歳)が時々ゆっこさんの背中に乗って足で踏み踏みしています。この前だいぶ長い時間やっていたようで、だいぶ楽になったと言っていました。グッジョブ。葉菜(はな)ちゃん(6歳)も花野ちゃんも、とても優しいなと思います。花野ちゃんは「○○やってあげた」と、恩着せがましいところがあるのもまた好きです(笑)。
ゆっこさんの今回のつわりは今まででいちばん、食べるものがわかりにくい感じがします。日によって、週によって、食べたいものが変わってきたりもします。安定して食べられるものが未だ見つからないような感じ。お米、パン、麺類もほぼダメで、お腹にたまるものがなかなか食べられないというのが最近の状況。今、最も食べたいのは桃みたいですが、果物は農薬がすごいし、それが原因かはわかりませんがそのへんで手に入るものを食べるとちょっと呼吸が苦しくなったりするようです。「大豆ミート」も割と流行っています。今回は、化学調味料とか添加物とか残留農薬などに、割と敏感に反応するようで、同じものを食べるにしても添加物があるかないかでは全く反応が違うようです。そういうのが多く含まれているものは、その時は食べられても後で必ずダメージを受けています。うちはもともと、食べ物を買うことは極端に少ない家庭だと思いますが、今はそれだとゆっこさんの食べるものがありません。こんな状況だと、どこでも食料が買えるのことがとてもありがたいことだと思いますが、同時に、近くのスーパーなどでは有機のもの、無添加のものなどが選べもしないこの状況が、おかしいのではと感じます。例えば東京であれば、自然食品店は割とどこにでもあって、そういうところで買うことも可能ですが、僕らの住んでいる場所ではそういうお店はほとんどありません。ゆっこさんはこの前、食べるものを求めてお隣の山梨まで足を運んでいました。車で40分ほど。もう少し、まともなものが近くで買えたらいいのになと思います。農薬がかかっていない野菜、添加物の入っていない加工食品、それは何か特別なものではないはず。むしろ、ど真ん中の、まともなものだと思います。そういうものが、選べもしないのがこの国、この社会です。
僕らはこうして有機農業をしていますが、農家全体からすればものすごく少数。だから世の中的には「特殊な農業」という扱いですが、むしろ多数派である、現在の多くの農家さんたちのやっていることの方がよっぽど特殊だと思います。たいていの場所において、多数だから正しいとか、多数だから「ふつう」だとかいうことになっていますが、それは誤りです。物事が正しいか正しくないかは、数とは関係ありません。
辛そうなつわりが続くゆっこさんですが、早く楽になったらいいなと思います。現在妊娠10週目。赤ちゃんは2~3センチくらい。小さいけど、確かに生きてるんですね。こんなつわりをもたらす程に。とにかく元気に育っていって欲しいなと思います。

子どもたちのこと
そんなわけでゆっこさんがほとんど動けないのでいつにも増して姉妹2人でよく遊んでいます。ケンカもよくしています。2人ともお絵かきがとても好きで、スケッチブックはすぐにいっぱいになるし広告の裏紙などもすぐなくなります。何度でも書いて消せる「せんせい」も多用しています。楽しそうです。2人とも素敵な絵を書きます。最近は雨で行けない日もありますが、夜の散歩も続いています。特に花野ちゃんが誘います。本当は昼間から行きたいようですが、大人の都合に配慮してくれているようです。
 家族4人(お腹の中にもう1人いますが)、当たり前のように「家族」していますが、改めて見てみればすごいことだなと思います。この家族で一緒にいられること、心より嬉しいです。もっともっと、自分自身とこの家族の平和を、実現していきたいです。今この場所で、できることがあります。    健

ひとつぶ便り 210号

今日もお越しいただきありがとうございます。
連れ合いはめっちゃつわり中。最近食べられるものは大豆ミートとかゼリーとか。あとカステラとかもいいみたい。ご飯もパンも麺類も基本的にダメですが、たまにパスタはいけるようです。今10週目に入るくらいなので、辛いピークはそろそろ終わるのか?といったところ。どうなるかはわかりませんが、一般に12週ぐらいまでがきついとされているようです。

では先週のひとつぶ便りです。

ひとつぶ便り 210号(2015年7月3日便)
 いつもありがとうございます。昨日(30日)の夜から今日の夕方まで雨が降っていました。ここのところよく晴れていましたが、風は冷たい日が多く、農作業をするにはなかなかいい気候。夏野菜たちにとってはもう少し暑い方が良さそうですが。今日の雨上がりからは暖かい風が吹いています。今日は昼間より夕方の方が暖かい、みたいな感じでした。
 このお便りを書くのはほとんどが夜です。今日も静かな夜。僕らの住む柳沢集落は12戸くらいしか家がない、佐久穂町の中でも最も小さい規模の集落。街道沿いにあるわけではなく、どこかへ通り抜けるにも便利な場所ではないので、夜はほとんど車も通りません。本当に静か。こうしてパソコンを開いていると忘れがちですが、静かで素敵なこの夜を、もっと感じていたいなと思います。それを感じながら、ものも書きたいです。昼間、畑にいると、その時はその時なりの、様々な気持ちが湧いてきます。こんな風景を伝えられたらな、とか思ったりもします。でもこうして夜になって家にいれば、畑の臨場感はなくなっているのがわかります。その時の感覚はその時しか味わえないものだなと、思います。畑のことを書くにせよ、無理に臨場感を出そうとするよりも、今この静かな夜に心を留めて、丁寧に書いていきたいなと思います。

今週の野菜セット
 先週からズッキーニがとれ始め、毎日コンスタントにとれています。和洋中、どんな料理にも合う、幅広く使える野菜なので、お好みで色々試してみるといいかと思いますが、まずはフライパンで油で焼いて、塩、というのがおススメです。うちも色々やりますが、これで始まりこれに帰ってきます。
 カリフラワーは今回初登場!カリフラワーは毎年とても評判がよく、ひとつぶ農園の「看板」の一つとも言えるようなイメージ。とても美味しいです。僕ら家族みんなも大好きです。
 季節と共に、だいぶ野菜の内容も移り変わってきました。葉ものばかりだった春から、少しずつ根菜とかキャベツ、ブロッコリー、そして実ものがとれるようになってくる。こうやって季節と共に食卓が変わっていくのは、楽しいです。嬉しいです。

花野ちゃん3歳!!
 6月最後の日は花野ちゃんの誕生日!3歳になりました。おめでとう!ありがとう!
 花野ちゃんはよくにこにこ笑っています。素敵な表情をするなぁといつも思います。すっごいかわいい(笑)。先週もお伝えした通り、ゆっこさんが3人目を妊娠し、最近つわりがひどいため、お昼は僕と花野ちゃんと2人で食べることが多い(葉菜ちゃんは幼稚園)。一緒に過ごす時間も増えて、色々と成長も実感します。今持っている素敵なものを、ずっと持ち続けていてほしいなと思います。
 最近、子どもたちと夜のお散歩が流行っています。ここ5日ぐらい毎日、夕食後の7時半くらいから30分前後、近くの道路を散歩しています。そもそも僕が近くの畑の鹿よけの電気柵のスイッチを入れ忘れ、車で行くのもなんだし(大人の足で徒歩2分)歩いて行こうと思って、子ども達も誘ってみたらとても乗り気だったので一緒にそこまで歩いて帰ってきた、というのが始まり。その日は夕焼けがきれいでした。次の日も「今日も行く!」ということになり、出発。しかし葉菜ちゃんはこの日は眠かったらしく、出てすぐに家に戻りました。花野ちゃんも帰るか訊いたら帰らないということだったので、2人でそのまま散歩しました。僕の両親が来るとよくこの辺りを子ども達と散歩してくれるのですが、そのおかげで花野ちゃんも慣れたもので、「牛さん見に行く!」とか「ヤギさん見に行く!」とか言って、リードしてくれました。この日は結局ヤギさんを見に行くコースを回りました。僕らの住む柳沢集落は、酪農をやっている家があったり、個人的にヤギを飼っている家が2軒あったりします。人間より牛のが多い集落です。
この日のお散歩の最中、ふと自分と親のことを思いました。子どもたちを散歩によく連れだしてくれるのは父なので、特に自分と父のことを。花野ちゃんと手をつないで歩きながら、ほとんど記憶にないけど自分や兄もこうして歩いたんだろうな、と。嬉しい気持ちがありました。あとなんというか、これは親からの経験を僕が花野ちゃんに伝えた、というより、親が花野ちゃんに教えて、それを僕が花野ちゃんから伝えられて思い出す、という順番で、ちょっとおもしろいなとおもいました。
その次の日は、葉菜ちゃんも一緒に回りました。月の光や街頭のつくる影の観察に3人とも楽しくなり、影で遊びながら散歩しました。一周してもまだ行きたがったので、延長して違うところへも行きました。で、その次の日は花野ちゃんの誕生日。この日も行き、今日も行きました。ちょっと車は怖いですがまず数が少ないし、白い服を着て懐中電灯を持って、道の端を歩いていればさほど危険も無さそう。一歩一歩、大事に踏みしめながら歩くのは、本当に楽しい。子ども達が行きたいという日は、今後もぜひ行こうと思います。

大切にしたいもの。本当のこと。
 葉菜ちゃんが生まれて6年、花野ちゃんが生まれて3年が経ちました。ゆっこさんと葉菜ちゃんと暮らすようになった後の自分の成長と変化は、ものすごいものだと感じます。禅僧ティク・ナット・ハンとマインドフルネス(「気づき」)との出会いとか、信頼できる何人もの友達との出会いは、僕の世界をどんどん広く、深くしてくれています。僕が生まれて今月で31年。ここ数年の変化も、それまでのすべての経験あればこそ。それもまた、自分の両親を始め、人、もの、自然、全てがもらったもの。本当に、ありがたいなと思います。もちろん欠点もものすごくたくさんあるけど、それも含めてこんなに楽しい人生が目の前にあることの喜びを感じています。まず両親に、ありがとう。全てのものに、ありがとう。
 世の中には、日常には、色々な言葉が飛び交いますが、どれが本物でどれがウソか、わかるようになってきました。例えば種のことで言うなら「種をまいたら芽が出る」というのが本当のこと。「種をまかなくても芽が出る」というのがウソ。これでいう、ウソの方が当然のようにまかり通っているのが現在の日本の社会だと思っています。子ども達に、自分に、本当のことに触れてほしいなと思います。知ってほしいなと思います。それは、「色々な考え方がある」などという次元の話ではありません。こうしたら、こうなる。こうしなければ、こうならない。というのは、明確な事実。直接体験して知り得た、そういう事実に沿っていけばいいのだと思います。幸せはいつでも今、この場所にあります。         健

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