ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 153号

今日もお越しいただきありがとうございます。霜は毎日のように降りるようになってきました。けどまだ結構暖かい気もします。
僕は出荷の日以外は酒蔵で働いています。ここで→黒澤酒造
ここ数年、全然お酒飲んでいませんでしたが、こういう仕事に就いたので、最近は少し飲んでいます。もともとは好き。でも普段から飲むわけではなかったし、飲まないなら飲まないでいいんです。でも飲んだら飲んだで楽しいもんですね。飲むのもそうだけど、色んなお酒を選ぶのが楽しい。黒澤のお酒も色々種類があるので、色々試そうと思っています。自分が造りに携わったお酒も、飲んでみたいもんです。

では今週のひとつぶ便りです。

ひとつぶ便り 153号(2013年11月8日便)
多様であること
 いつもありがとうございます。今夜(6日)もなかなか冷えています。今日も霜が降りたし、明日も降りそうです。僕らの住んでいるところでは今日の霜で4度目ですが、それほど遠くはないけどもう少し標高の低いところではまだ1度か2度しか降っていないと聞きました。ここは全国でも有数の寒いところなんじゃないかと思います。天気予報を見ると、北海道より寒いことがよくあります。
 僕らの住んでいるところは八ヶ岳の東斜面。佐久穂町は決して大きな町ではありませんが、標高は800くらいから、いちばん高いところは2000メートルを超えます。民家と畑は1200メートルくらいまで。僕らの家は標高1000メートル弱。「長野県民は標高を気にする」とか聞いたことがありますが、それはとりわけ農業や食料の問題が大きい要因だと思います。標高によってできやすいものとできにくいもの、採れるものと採れないものが顕著に違ったりします。育つお米の品種も収量なども、全然違うようです。というか田んぼが出来るのは1000メートルくらいが限界で、それ以上のところには田んぼ自体ありません。僕らが自家用にやっている田んぼ(標高約1000メートル)で育てているのは北海道の品種。あきたこまちは育つけど、こしひかりは育たないと言われる場所でございます。
標高が低く、山間ではなく平地にある畑は、採れるものの種類も豊富だろうし、収量もかなり多いことと思います。冬も寒くないだろうし、ちょっと羨ましさも感じるところですが(笑)、ここもとてもいいところだし、高冷地には高冷地の利点もたくさんあります。空気も水も景色もきれいだし、涼しい気候は雑草の伸びを穏やかにしてくれたり虫の発生を少なくもしてくれます。朝と夜の寒暖の差の激しさは、野菜を美味しくしてくれると言います。僕らが住んでいるところから5分も車を走らせれば標高は200メートルも違うし、気候は全く異なるわけなので、日本全国、極めて多様な気候があるということです。それぞれに良いところ、大変なところがあるものと思いますが、それに合わせて人の暮らし方があって、それぞれが美しいものだと思います。
全国各地、世界中から物が行き来する現在より、その土地にあるもので何かを作り、その土地で採れるものだけを食べていた昔の方が日本にも世界にもきっと、豊かな文化が存在していたわけで、それはなんだかおもしろいなと思います。情報や物が外から自由に入ってくるよりも、限られた交流と物の中でただその土地で必死こいて生きる方が、人の発想する力とか、発揮されるんでしょうね。今、地方都市はどこもかしこもコンビニとパチンコ屋とスーパーが建っている、似たような見た目になってしまっているところばかりだと思いますが、それはあまり美しくないし、もったいないなと思います。既に失われているものも多いと思いますが、食べ物ひとつとっても、つい100年、いや50年くらい前には日本各地というか各家庭に、今より遥かに個性的な世界が広がっていたのだと思います。
 よく「稲」とか「米」が日本人の魂だとか言われますが、ちょっと前まではべつにお米ばかり食べていたわけではなかったという話です。お米は商品作物として都会へ売り、自分たちは麦や雑穀や、野菜や魚や獣を食べる。というような。「パンじゃなくてお米食べろ」と主張する人もいますが、お焼きとかお好み焼きとか酒まんじゅうとか、その他各地に小麦を使ったパンみたいなものはもともと日本にもたくさんあるわけで、「小麦じゃなくて米食を食べよう」みたいな主張はちょっと違うと思っています。酒まんじゅうに至っては発酵までさせるし、パンそのもの。この場合、問題はお米を食べないことではなく、小麦がほとんど輸入ものであることと、そういう「日本のパン」が日常から忘れられそうなことかと。
 食べること、つくること、働くこと、つまり生きることは、今の僕が想像できるよりも遥かに多様で広くて楽しいものなのだという気がします。その広さも楽しさも、何でも手に入るような環境よりも、限られたものしか無いような中の方が、見つけやすいのかもしれません。

 人の意見なども、同じであったり、統一していくことが是とされることが多いような気がしますが、それは人が幸せに暮らすという目的からすると、間違った方向だと思います。「皆を同じ意見にする」ということが平和なのではなく、「皆の違った意見をそれぞれが受け入れる」ということが、平和という状態だと思います。それはすごく難しいことなのだと思いますが、今の政府も僕らそのへんの人たちも、そういうところを目指す気自体無いような気がします。極端に言えば、「これが『普通』です。『普通』じゃない人は頭が変な人です」というような差別的な、排他的な風潮が、何の違和感もなく世の中に広く浸透しているように感じます。他人の意見や行動を差別したり排除することはたぶん、自分自身の中のそういう部分を差別し、排除するのと同じこと。他人への攻撃は、自分への攻撃。他人を傷つけることは、自分を傷つける行為です。それは、苦しいことです。
 苦手な人、嫌いな人、もちろん僕にもいるし、僕のことが苦手だったり嫌いな人もいることでしょう。人と人が理解し合うことは難しいことだと思いますが、それでもその努力を怠らないようにしたいです。誰かを理解する努力をしないことは、自ら苦しみに近づき、幸せから遠ざかるようなものだと思います。
今週の野菜セット
 今夜は大根とか白菜、人参などなど色々と入った野菜鍋でしたが、それは美味でございました。どの野菜も本当に美味しく毎日食べています。白菜など、霜に当たってますます甘くなっています。お鍋もおススメですが、どんな料理で食べても美味しいこと間違いなしです。是非素材の味を前面に出して、野菜中心の食卓をお楽しみください!    健

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