ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 160号

こんばんは。今日もお越し頂きありがとうございます。
今シーズン最後のひとつぶ便りは、いつもより1枚分多い、A4・3枚という分量でございます。書いてたらどう考えても2枚じゃ収まらなくなってきて、じゃあ3枚目途中まで、とかでいいやと思って書いてたら難なく3枚目も埋まりました。

誰かに伝えたい、と思うことは、結局は自分自身に伝えたいことなのかなと思います。ひとつぶ便りは、誰よりもまず、僕に対してのメッセージ。今、いちばん大切だと思うことを書いています。誰かに届けばいいなと思う。その前に、自分に届けばいいなと思う。書いていて発見することもあるし、確認できることがたくさんあります。

今年も、色々と楽しく書かせてもらいました。来年もよろしくお願いします。みなさん良いお年をお迎えください!いつもありがとうございます!では、今年最後のひとつぶ便りです。

ひとつぶ便り 160号(2013年12月27日便)

 いつもありがとうございます。いよいよ今年最後のお届けです。1月は一週目はお休みで、2週目からはお届けします。今シーズンも最後までよろしくお願いします!
 寒さはどんどん増してきています。今夜も寒い!星がきれい!先日マイナス10℃の日がありました。やっぱり寒いなぁ。ここからもそう遠くない野辺山というところでは、マイナス20℃を観測したそうで、その日の全国一番の寒さだったらしい・・・。僕らの住んでいるあたりも、北海道より寒いなんてことはざらにあります。ちょっとここ寒すぎるなと思うこともあります(笑)。薪ストーブが本当にありがたいです。去年の今頃はこの時期、引っ越したばかりでまだ煙突の工事ができておらず、この家に置いてあった小さい灯油ストーブでがんばっていましたが、寒い日は目の前に張り付いていても全然暖かくないという状態でした。寒かったなぁ。今年もいよいよマイナス10℃の日々が始まりました。
寒さなど吹き飛んでしまうほどこの町に魅力を感じ、ここで農業がしたい!ここで暮らしたい!と、この町に住み着いている人たちを何人も知っていますが、僕らは成り行きでこの地で農業を始めたので、この土地に対する愛着はもともと少ない方だと思います。それぞれの土地に、それぞれの長所や短所があるものと思います。今、僕にとってこの地のいちばんの魅力は何かと考えると、空気とか水とか景色がきれいとかそういうものの前に、「人」というのがきます。色々な思いを素直に伝え合える仲間がいるというのは何より心強いです。しかも同年代が多いというのもとてもありがたい。ありがとう。

今週の野菜セット
 先週に引き続きお餅便です!今年も4月からコツコツ育てて収穫したひとつぶ農園のもち米を、薪の火で蒸して機械でついて、お届けします。精米はほんのちょっとだけしかしていないので、茶色いです。玄米に近いので、栄養価が高いとかいうのもあると思いますが、何より味が良いと思います。ご賞味くださいませ。
 花豆の甘煮も入ります。花豆は、それなりに標高のある高原でしかできないものだそうで、佐久穂町の中でも標高の低い場所(といっても700m台)ではやや育てにくいらしいです。どこでも育つものではないので、ある程度高級なものとして市場では扱われるようですが、このあたりでは良くできるので、地元の人たちは「食べ飽きた」と言うような代物。僕らはもともと地元ではないので、食べ飽きないで喜んで食べています(笑)。美味しいです。気候としては育てやすいのですが、僕らの技術とか手間的な問題で、毎年あまりたくさんとれていません。改善したいところ。
セットの中の野菜の種類はだいぶ減りましたが、この時期まで人参が出せるのはうちの農園的にはすごいこと。5年目にして初めてのことです。ありがたや。他の野菜たちも、いつもの通り大切に味わっていただけると嬉しいです。

『3びきのかわいいオオカミ』
 ところで『3びきのかわいいオオカミ』(ユージーン・トリザベス文/ヘレン・オクセンバリー絵/こだまともこ訳/冨山房)という絵本があります。とても素敵な絵本です。友達が「いいよ」と言っていたので、初秋の雨の日、ゆっこさんが買ってきました。おススメなので、是非一度、読んでみてください。内容をがっつり書くので、絵本を先に読みたい!という方は、この下は見ないように!
 「3匹のこぶた」のパロディー作品で、原題は「The Three Little Wolves and the Big Bad Pig」。こぶたとオオカミが、小さいオオカミと大ブタに入れ替わっているわけです。内容は、始めの方は「3匹のこぶた」と同じような進行。こぶたと違い、オオカミたちは3匹一緒に建てますが、レンガの家→コンクリートの家→鉄骨・鉄板・鉄条網の家、というふうに、どんどん家を丈夫にしていきます。「ところが このブタ、わるいのなんのって もう とんでもない わるブタだったんです。」というわけで、ハンマーやら電気ドリルやらを持ち出し、どの家もブタはめちゃくちゃに壊します。そこまではただ笑えるパロディー作品ですが、その後の話が、「こぶた」達とは全く逆の方向へ行きます。小さいオオカミたちは、「いままで まちがった ざいりょうで うちをつくってたんだ」と思い、4つ目の家は「花の家」を建てます。風が吹いただけで揺れるけど、とってもきれいな家を。そして、その家も吹き飛ばそうと息を吸い込んだブタは、花の香りで改心し、オオカミたちと友達になり、「4ひきはそれから いつまでもなかよくくらしました。」というラスト!
 
 相手を恐れ、敵だと見なし、自分と相手の間の壁をどんどん厚くし、それでも相手が恐いなら、暴力的手段か何らかの方法で排除する。と書けばものものしいですが、個人の間、団体の中、あらゆる場所で日常にあるとことだと思うし、国家間でやれば戦争。そして「3匹のこぶた」は、そういう話に見えます。相手を敵と見なし、自分と隔て、排除しようとすることは、それはそれで自然なことかもしれないと思うけど、そうではない方向があるのだと僕は信じています。排除することも受け入れることも、どちらも僕らの中にもともと備わっているものと。僕らは3匹のこぶたたちのようにも、3びきのかわいいオオカミたちのようにも成り得ます。僕はオオカミたちの方向へ進んでいきたい。
 『3びきのかわいいオオカミ』の物語の中で、オオカミのお母さん「わるいおおブタには きをつけるのよ。」と言い、最初から悪いものと子どものオオカミたちも思っています。実際、凶悪そうな面構えでブタはやってきますが、どの家のときも、いきなり壊したりしません。必ず、玄関の呼び鈴を鳴らし、「なかにいれろ!」と言うのです。それを拒否されてから、ブタは家を壊します。実は初めから、一緒に遊びたかっただけなのかもしれない、というふうにも読めます。「3びきのこぶた」と違ってそもそも食べるのが目的じゃないだろうし。
 今、『3びきのかわいいオオカミ』が手元にありますが、「色の変化」がまたおもしろいです。最初のレンガの家は、とても素敵。木々に囲まれ周りも彩り豊か。しかし、コンクリート、鉄、と家がどんどん丈夫になるにつれ、絵の中から色彩が失われていきます。オオカミたちがそれぞれ灰色、黒、白、という毛の色なのですが、鉄の家の時にはもう家も背景もその色ぐらいしか使われていません。これ、軍事基地っぽいなと思ってましたが、刑務所みたいだなぁ。そして、4つ目の、様々な花を材料に作った花の家で、絵本はまた色彩を取り戻します。より豊かに、暖かく。
 
 この絵本は読んだ直後からこうしてお便りに載せたいと思っていましたが、他に書きたいことを書いていると大体紙は埋まってしまうし、書く時間に限りもあるので今まで書いていませんでした。この日本が戦争に向かって突っ走っているような気がするこの時だから、今こそ是非紹介しておきたい絵本だと思って、書いています。
 「そうはいっても、『敵』に花なんてあげられるもんか」「本当に殺されてしまったらどうする?」なんて思いが浮かんだりもしますが、人の中に、生き物の中に、全てを受け入れる能力が備わっているものと思っています。実際に、戦争の最中、平和的手段のみで敵対する両陣営に働きかけた人たちがいます。時に、銃を向けられ、仲間を殺されながら、それでも自らの平和を実現し続けた人たちがいます。他の猫のケンカの仲裁に入る猫だっているんです!争いも憎しみも怒りも苦しみも、僕の中には全部あります。同じように、平和も愛も優しさも幸せも、全部ある。相手に対して「鉄の家」をつくることもできるし、「花の家」を見せることもできるのです。自分の中の花を相手に見せられたら、相手がどう思っていたって自分の中でもうその人は「敵」ではありません。「汝の敵を愛せ」と言った人もいますが、愛せたら、もうそれは「敵」ではありません。(と、そもそも「敵」っていう字は、「向き合う相手」という意味だそう。憎しみ合う相手とか争そう相手とかそういう意味よりもともとはもっとフラットな意味のようです。)そうありたい、そうしたい、と思っても僕にはなかなかできませんが、どちらを目指したいかは、はっきりしています。自分の中の、平和の種を、優しさの種を、もっともっと育てたい。そして子ども達のそういう種を、大切に育てたいと思っています。何より大事なことは、今この場所を、しっかりと生ききること。今、微笑むこと。今、もし微笑んでいなかったら、どうぞ、微笑んでみてください。花が咲きませんか?
絵本も本も読み方はそれぞれだから、作者の意図がどうだかは知らないし、他の人がどう読むかもわかりませんが、僕はその絵本を読んでこんな風に感じました。絵もかわいいし、素敵な絵本です。出会えたことに、感謝しています。ありがとう。
 
今年も本当にお世話になりました。おかげ様で生きています。いつもありがとうございます。2013年もとても素敵な年でした。一日一日を大切に、良いお年をお迎えください。健
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://hitotsubufarm.blog.fc2.com/tb.php/189-85d59a33
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad