ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 231号

どうも。そしてまとめてアップ3本目。

ひとつぶ便り 231号(2015年11月27日便)
 いつもありがとうございます。11月はここまで、いつになく暖かい日が続いていましたが、今夜(24日)はなかなか冷えています。10月末と11月初めの数日だけ、かなり冷え込んで強い霜が降りた日がありましたがその後だいぶまた暖かくなり、それから霜も降りていません。最近は雨が多いです。それでも今日は冷えているし、季節は真冬へと向かっています。週間予報を見ても、ここからだいぶ寒くなる予報です。
 ここのところ毎年、1月まで何かしら送らせてもらっていますが、ゆっこさんの出産が2月の初めの予定ということもあり、今年は年内で出荷を終わる予定です。1月まで楽しみにしてくれている皆さんには申し訳ありません。年末にはお餅をついて送ります。今シーズンも最後までよろしくお願いします

酒蔵とお酒のこと
 僕は10月末から毎日酒蔵へ行っていますが、先日いよいよ新酒ができて、今シーズン最初のしぼりがありました。暖かいから発酵は早めだったようですが荒れたわけではなく、まずはなかなかいい出来のようです。僕は主にお米を洗ったり蒸したりするのが仕事で、その後の管理はまた他の人たちがやります。僕の働く黒澤酒造は佐久穂町(旧八千穂村)の老舗で、江戸時代からある酒蔵。それなりに大きな機械なども入っていて、精米、麹、もろみ、酒母、釜、それぞれ分業でやっています。それぞれ基本的に1人で担当しています。僕のいる釜場は2人です。麹、酒母、もろみのあたりは菌たちと共に色々やる仕事なので、入った当初は「そっちのがおもしろそう」とか思っていたところもありましたが、結局どの工程もいかにお米を水に漬けるか、いかに蒸しあがるか、に依存するところが大きいわけで、そこがわかってきたら釜場の仕事はなかなか楽しくなりました。冬場の現金収入を得る為に勤めてはいますが、それだけの為に働きたくはないので、こういう仕事に就けていることはありがたいです。やるからには、よく蒸して、各場所へ送りたいと思ってやっています。また、黒澤酒造は現在、社長と杜氏(造りの総監督)が兄弟です。2人とも、酒造りに情熱のある素敵な人たちです。経営を担う社長も、お金儲けより遥かに「良い酒を造る」ということを目指しています。それでいいのかは知りませんが(笑)、僕はそんなところがすごく好きだし、その点もありがたいなと思います。色々なお酒を造るけど、純米酒とか生酛(きもと)づくりを看板にしている会社です。ただ看板にしているわけでなく、それが好きな感じがします。

 日本酒はお米のお酒。僕も多い時には連日トン単位のお米を扱います。日本人は現在、1年に約60キロくらいで1人が一年食べていけるそうですが、酒蔵にいると60キロのお米はすごく少なく感じます。それほど、多くのお米を扱います。例えば1.2トンのお米を洗う場合、30キロの袋が40袋です。こういう量が毎日、という時期もあります。それだけで、20人が1年間に食べるお米の量に匹敵します。大企業のお酒メーカーなどでは日に扱うお米の量はこの比ではないでしょう。
 なかなか僕は実感として考えることが難しいのですが、世界では飢えてる人がいる中で、これだけの食べ物をお酒にするというのはとても贅沢なことであるのは間違いありません。割と楽しく働いてもいるし、そういう部分、普段あまり意識していないことも多いので、改めて何度でも思い出そうと思います。それはどんな職業も、僕らのしている農業でもそうですが、どこかの誰かに重い負担を強いずに生きることは、今の日本においては極めて難しいことだと思います。そこへの加担をなるべく減らしたいと思うし、同じことをするとしても意識をきちんと持っていたいなと思います。それが誰を喜ばせ、誰を苦しめるものなのかを。
 日本酒に限らずどんなお酒であれ、穀物を原料にしたものも多いし、「食べ物」を材料にしていないものはありません。どうか、飲む場合は大切にお飲みください。発酵の世界はワンダーランドだし、お酒を造り、飲む文化というもまた、とても深いものだと思います。お米と水と麹菌があれば、誰にでもお酒は造れます(個人の醸造は法律で禁止されているけど)。その中での、技の極みを、見てみたい。技の粋を飲みたい、そんな思いがあります。それだけの理由ではないけどそういう理由もあって、個人的には醸造用アルコールの入ったお酒は買いません。そもそも今年はゆっこさんが妊娠が分かって以来、お酒は全く買っていませんが、買う時は「純米酒」とか「純米吟醸」だけ買います。これは原材料が「米、米麹」とだけ表示されているものです。原材料の表示は同じでも、お米、水、酵母、造り手、気候、様々な要因の違いによって、物凄く多様な味の違いを見せてくれます。

今週の野菜セット

 だいぶ冷え込んだ日でしたが、まだ今日(25日)も降っているのは雪ではなく雨。まだまだ本格的な冷え込みには程遠いですが、畑のものは段々と片付いてきました。今回も、葉物などは収穫してきていますが、大根や白菜などはもう全て取り込んで保存してあるものから送っています。
 自分たちの育てた野菜、とても美味しいと思って毎日食べています。子ども達もむしゃむしゃもりもり食べています。好みでないものを無理に食べさせようという方針ではないので、うちでは苦手なものがあったら食べなくていいことになっていますが、子ども達はどんなものでも美味しそうにパクパク食べるので、お腹がいっぱいになったという理由以外では子ども達が何かを残すことはほとんどありません。葉菜ちゃん(6歳)が通う幼稚園の友達が、ブロッコリーが苦手なのに、うちのブロッコリーは喜んで食べる、という話を聞きました。寒暖差が大きいとか、土質とか、色々と野菜を美味しくする要因があるのだと思いますが、野菜の育て方の違いも大きいと思います。健康に育った野菜と、健康ではないから薬漬けで育った野菜と、どちらが美味しいのかといえば、健康な方に間違いありません。僕らの野菜が美味しい、というよりは、野菜は本来美味しいのに、不健康で不味くなってしまった野菜が世の中に多すぎる、ということかなと思います。お金を儲けようとすることが素晴らしいこととされる社会では、美味しい野菜は育ちにくいはずです。例えば会社が大きくなり、大規模に何かをやることが素晴らしいこととされていますが、大規模化には大規模な機械や大量の薬品がつきものです。これは農家でも酒蔵でも、同じようなことだと思いますが、その犠牲になるものがたくさんあります。「味」というのもその一つだと思います。食べ物を育てたりつくったりすることに、いたずらに経済を持ち込むのなら、おかしなことになります。僕らは食べたものでできています。食べるものは、土からできています。僕らはいつだって土とつながっているのに、それを忘れているのなら不幸なことです。僕らは土からできているという当たり前の事実を、もっと当たり前に知ることが大切だと思います。                健
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