ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 232号

どうも~。まとめて更新の4本目ですがこれは最新号。先週のやつです。

ひとつぶ便り 232号(2015年12月4日便)
 いつもありがとうございます。だいぶ暖かかった11月でしたが下旬になってやっと寒くなってきて、ここのところは強い霜も連続で降りています。畑も凍り始めました。昼間は晴れれば結構暖かい日もありますが、朝はマイナスの日が多いです。12月ですね。あと今年も一か月。一日、一瞬、より大切にいきたいです。今夜(2日)はやたらと強い風が吹いていますが気温はそこまで下がっておらず、穏やかに燃えている薪ストーブの火が暖かいです。
 木枯らしが吹いて、木の葉が落ちる季節。落ち葉が森の地面に積もって、木の根を暖めたり、乾燥を防いだり、生き物の住処となったり、下からゆっくり分解されていき、また木の養分としても使われていきます。落ち葉の場合は、木自体は生きているけど、木がそこで朽ちた場合だって、同じようなことが起こります。枯れること、死ぬことは、命の終わりではないことを、冬という季節は他の季節よりも遥かに鮮明に教えてくれる気がします。畑にも土手にも実に様々な雑草がありますが、どれも同じようには枯れません。野菜もまた同様。地面を覆うように枯れるものもあるし、木のように立っているものもあります。種は落とすものあるし、そのまま木につけているものもあります。それは短期的に見れば、それぞれが、自分の種(しゅ)の存続に適するように、枯れていくようになっているということだと思います。そしてもう少し長い期間で見ていくなら、どの植物たちも土へと還り、その誰もが皆、他の動植物たちの恵みとなります。
「土」と一言で表現するそのものは、色々な鉱物や、無数の動植物たちの死骸、その他色々の集まりです。土の上で、中で、絶えず生き物が生き、死んでいきます。雑草などは数か月で跡形もなくなり、動物たちもまた、土の上の他の動物、土の中の小さい動物、微生物などによって分解され、やはり短期間で跡形もなくなります。土の上で、中で、多くの虫やミミズ、ネズミなどの動物が日々、死を迎えているはずですが、例えばジャガイモを掘っていて、これはそういうものの死骸だ、というものに出会ったことがありません。それだけ、分解が早いのだと思います。土の上で動物が死ねば、たちまちカラスが食べに来るし、何かが腐っていればたちまちハエがたかってそこをきれいにしてくれます。コンクリートやアスファルトの上で何かが腐ればたちまち異臭を放ちますが、森の中の土の上や中で同じものが腐っても、たちまち誰かが「掃除」してくれて、分解されていきます。僕らが「土」と呼ぶそのものをよくよく見ていくのなら、それは無数の命の集まりです。そこには数えきれない命が生きているし、死んでいっています。例えば人間はこの星に70億人くらいいるそうですが、僕らの狭い一枚の畑にだって、それより遥かに多い命が息づいています。むしろ70億なんてすごく少ない数字に思えるほどの命が。その一つ一つの命の力を心から信じているから、70億分の1の人間である自分の持っている力もまた無力なものには思えません。
 と、まぁ何が言いたいかと言えば、米も野菜も土からできています。土は無数の命からできています。そして僕らは僕らが食べたものからできています。僕らが野菜を食べるなら、僕らは野菜からできています。身近に土のある環境にいなくても、誰も土から離れて生きてはいません。この土とのつながりを感じること、すごく楽しいと思います。僕らの中に無数の命があります。
 どんなものであれ、それは何かの「表れ」だと思います。何か一つのものを見ていけば、それ以外の全てが見えてきます。野菜が育つ為には土も水も太陽も、風も人も必要だし、それら全ての「表れ」が野菜とも言い換えられます。僕らの体も心も、何かの表れです。僕が母から生まれる前だって、何らかの形でどこかに存在していました。今ある僕の体のどこかの部分は少し前まで野菜だったし、ある部分はお米でした。もうそれはもう少し前は土だったのだし、土はもう少し前は落ち葉か、動物か植物だったかもしれません。僕らはどうやったって自然と離れて生きてはいけないのに、自然との深いつながりを意識していないことことも多いです。もっともっと意識して、感じることが大切だと思います。そこには楽しさと、幸せがあります。

今週の野菜セット
 畑が凍る時期なので、根菜などは既に畑から収穫して倉庫などに取り込んでおいてあるものを送らせてもらっていますが、葉物やブロッコリーなどはまだ畑でがんばっているものたちです。また今週は、家の前のビニールハウスで育った葉物たちも入ります。このハウスは春は育苗に使い、その後ミニトマトが植わり、そして秋から冬は葉物をまいてあります。たいした面積ではないので葉物は主に自家用、という感じですが立派に育ってくれているのでお送りします。
 八千穂はすっかり冬の空気ですが、まだ色々と野菜が豊富で嬉しいです。我が家でも毎日美味しく食べています。

林弘子さん
 ところで今、パンが焼き上がったところですが、今日もなかなかいい焼き上がりです。うちは小麦粉と水だけで起こした酵母でパンを焼いています。はじめは粉と水をそれぞれスプーン一杯ずつから少しずつ増やしていき、一か月くらいかけてじっくり育てていくやり方でした。それをかれこれ3年以上かけついで、パンを焼いています。このやり方はパン生地そのものが酵母で、それを次の生地に混ぜてこねればいいだけ、という感じです。
 このやり方は林弘子さんという人の書いていた雑誌の記事から。林さんは若くして亡くなったようで今は故人です。うちには2冊、パンづくりの本がありますが、パンやお菓子が専門、というわけではなくて、漬け物や味噌、醤油など、発酵食をこよなく愛した人。その発酵食の一つとしての、パンという感じです。「パンを作る前に味噌や漬け物作りなさい」みたいなことがパンの本に書いてあります。パンやお菓子の本も色々出ていますが、発酵食の本も色々出ていて、自分で色々体当たりで試行錯誤して得たその体験談はもうたまらなくおもしろい。自称「肉体派料理人」(笑)。文章を書くのがとても好きで上手で、彼女の本でただレシピとその説明だけ載っている、という本は無いと思います。
 最近ゆっこさんが林さんの『酵母でつくる焼き菓子レシピ』という本を図書館で借りてきて、この「酵母」が僕の使っているパン生地のことなので、色々試し中です。クッキーの食感もすごく良くなるし、パンケーキもベーキングパウダー無しでふわふわに膨らむので、とても具合がいいです。ちなみに林さんはレシピの中で卵や牛乳は使うけど、ベーキングパウダーや重曹を使わない主義。そして彼女にとってとにかく何が目的かと言えば、発酵の世界の楽しさを感じることと、美味しいものを食べることに尽きるのではないかと思います。そんな姿勢がとても好きです。                  健
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