ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 246号(カンタ!ティモール見ました)

お越しいただきありがとうございます。
今回のお便りは、映画「カンタ!ティモール」を見たあとで、書きたいこと色々あって、いつもはA4の紙に2枚書くところを今回は3枚に増量して書いていますが、それでも全然、書きたいことの半分も書けていない感じです。まぁ書けたとして、伝わるかどうかはまた僕の文章力とかもあって別の話ですが。

まぁとにかく見て欲しい映画です。機会があったら是非どこかでご覧ください。
僕らも佐久穂町で上映会やろうと思って企画中です。詳細はまた流しますが9月4日(日)に佐久穂町にある「茂来館」というところでやります。ぜひぜひ足をお運びください。

監督のインタビュー記事があって、それがとてもいいので載せておきます。僕の文章読むのが面倒な人はこっちだけ読んでくれたらいいと思います。こちらからどうぞ。

では先週のお便りです。

ひとつぶ便り 246号(2016年7月22日便)
 いつもありがとうございます。九州から東海にかけては梅雨明けですか。関東甲信はまだ梅雨明けの発表は無いようですが、ここのところ全く梅雨っぽくない空気です。暑いし、雨降らないし、乾いた空気です。空気が重くないと動きやすいです。
 ちょっと暑すぎるのか調子の悪いものもありますが、夏野菜が色々と採れてきています。畑の見え方がこの数年でだいぶ変わってきた気がして、それまでできなかった草との付き合い方ができていたりします。いずれも周りから見ているとただ草だらけだから全然わからないだろうけど(笑)、個人的には色々違っています。このへんは、農家ではない人や一般的な化学的農業をしている人はもちろん、有機農家であってもそれぞれ全然やり方が違うから、わからないところです。「ほら!」って言ってもほぼ誰にも通用しない自慢ですが、夫婦間では通用します。

誕生日
 18日は僕の誕生日。今年で32歳になりました。たぶん(笑)。先輩農家が「最近自分の年がわからない」とか言っているのをだいぶ前に聞いたときは「そんなもんか。」と思ってましたがそんなもんですね。本当に何もかもわからない農業の世界に足を踏み入れた当時が22歳の時なので、そこから数えると今年が10年目。佐久穂町に来てから9年目、夫婦でひとつぶ農園を始めてから8年目、という感じです。色々あったし、今も色々ありますが、すごく楽しい。誰のおかげって、僕以外の全ての人やものたちのおかげでしかありません。ありがとう!!一息一息を大切に、一歩一歩を大切に、丁寧に今を生きます。

カンタ!ティモール
 今年の18日は祝日(海の日)でしたが、この日は佐久で『カンタ!ティモール』というドキュメンタリー映画の上映会があって、家族5人で行ってきました。お母さんたちが企画したイベントなので、子ども連れに優しい会でした。託児が手厚く、上映会場には親子スペースが設けられていました。大人が40人入っていっぱいになる視聴覚室での上映会でした。
これはもう本当に良い映画だと思います。何度でも見たい。ゆっこさんは既に一度、数年前に見ていて、彼女はめったに何かを誰かに勧めたりすることはしませんが、この映画に関してはすごくおススメだと言っていて、内容も聞いて、僕も見たいなと思っていた映画でした。今回は友達が実行委員として関わっていて、紹介してくれたのですぐ飛びつきました。これから映画の内容も多少書きますが、特にネタバレしていたからといって見ることに何も問題はないと思うので、これから映画を見ようと思っている人が読んでも大丈夫かなと思います。機会があったら是非見てみてください。

 「ねぇ仲間たち ねぇ大人たち 僕らのあやまちを 大地は知っているよ」という歌詞で始まる、南海に浮かぶ島ティモールで監督たちが出会ったある青年の歌。歌の意味もよく分からず、彼の名前も聞かず、帰国した後も、その歌は耳から離れなかった監督たちは青年を探すため、数年後島へ戻り、そこから一つの旅が始まります。
 日本はこの島の悲劇に、ものすごく深く関わっているのに、僕は全く知りませんでした。それは僕がこれまで知ろうとしてこなかったからだし、日本にとって都合の悪いことだから、国に隠されてきたからでもあるのでしょう。(よくわかっていないのでたぶん色々間違っているので詳しく知りたければお調べください。ごめんなさい。)このティモール島は、長い歴史の中、色々な国に占領され、支配されてきました。地元住民には独立への願いは常にあったのでしょうが、その動きが現実的に加速してきたしてきたのが1974年。これは、その時占領していたポルトガル国内で革命が起き、植民地維持を主張する保守派が倒れたため。しかし、東ティモールの近くに新たな油田が発見されたことなどもあり、隣のインドネシアが領有権を主張。東ティモールの即時独立の要求を認めず、武力による介入、占領に乗り出します。この時、国連はインドネシアの即時撤退を求める決議を可決。しかし実際は、石油利権や、反共産主義の立場をとるインドネシアとの関係を重視し、アメリカ、その言い成り日本、オーストラリアその他の国々もこの占領を黙認。それでも独立を願う東ティモールは諦めないわけですが、インドネシア軍による日常的な殺人、レイプ・・・、そういうことが映画の中に登場する東ティモールの人たちから語られます。で、この惨状を金銭的に最もサポートしていたのが日本です。他の国々がインドネシアへの経済制裁を強めると、その分のお金を日本はインドネシアへの支援に増額。アメリカの言い成りということは明らかですが、ほとんどの日本国民の無関心は、それよりもずっと大きな力のはずです。
 よく、「日本は過去70年、戦争をしてこなかった」という人がいますが、これを見ても言えるでしょうか。僕らの払った税金が、僕らが買った何かのお金が、今もどこかで人を殺しています。東ティモールは現在は独立したけど、同じように、苦しんでいる場所が現在も世界中にあります。日本は常に苦しめることに積極的に加担しています。石油のため、市場のために、理不尽に命を奪われ続ける人たちがいます。そういう人たちがいなくならない仕組みの中で僕たちは生きています。選挙において、日々の生活において、それを変えていく力を持っているのに、気づいてすらいません。

 インドネシア占領下において、実に東ティモールの3人に1人が命を落としたと言われます。誰もが兄弟姉妹、友人、大切な人たちを何人も目の前で殺されています。ある程度大きな子どもや女性たちは日常的にレイプされた経験を持ち、後遺症もある。インドネシアは東ティモールの人口をコントロールするため、危険な避妊薬を飲ませ、そしてそういう行為に及ばせていたそうです。もう一度言いますがこの時のインドネシアの最大の支援者は日本です。日本がいたから彼らはこういう行動をし続けられました。
 この映画が映すのはしかし、インドネシアの人たちにも、日本にも、悲しいけど「怒りはないよ」と語る東ティモールの人々の言葉。これ、一人か二人の個人的な意見ではないのです。これだけのことをされ、それを深く知っているにも関わらず、東日本大震災のとき東ティモールは、国家予算の3分の1を日本に寄付したそうです。すごい。どうしてこんなことができるのか、どうしてこんな心が持てるのか。本当に驚きます。インドネシア占領下でのゲリラ戦の最中、東ティモールのゲリラ兵たちは、とらえた捕虜(前線にいるのは常に若者)に、その戦争のおかしさ、自分たちの望み、そういうものを言って聞かせ無傷で帰す、ということをしていたそうです。東ティモールの人々は、過酷な状況の中、ささやくように歌を歌い、時にテベ(「脱穀」の、踊りのようなもの、だけどダンスではなく、テベだ、と語られる)を踏み、独立を諦めず、闘った。冒頭に出てくる若者(アレックス)の歌は、彼がゲリラ兵として生きている時に、その戦場で歌われていた歌。
 映画には何人も何人も、美しいとしか言いようのない笑顔をたたえた人たちが出てきます。そして語られる言葉はどれも心に刻んでおきたいと思うもの。彼らに共通しているのは、大地への強く深い信頼。人を憎まないこと、許すこと、非暴力、慈悲、そういう精神には「崇高」という言葉がしばしば使われたりしますが、これは間違いだと思います。それは、「高い」ところにあるものではないのです。大地の上に大地の中に、要するにすごく「低い」ところにあるように思う。自分が常に「低い」場所にいられるのなら、地に足をつけていられるのなら、物事をきちんと見極められる気がします。
この映画は自主上映というかたちでしか現在見ることは出来ないのですが、もしできるなら絶対手元に置いておきたい。本当に、心が熱くなる。勇気が湧いてくる。涙が流れずにはいられない。映画を見ながら、「この気持ちを、情熱を、ずっと持続したい」って何度も思いました。それは普段の生活の中で、どうしても薄れてしまうものだから。

日本は今も、どこかの国をこの東ティモールの惨状と同様に、苦しめているわけですが、国内でもどんどんやっています。この国の基本方針は一言で言えば、少数派はどうでもいい、ということ。そういう考えにのっとって、教育が為され、そういう社会が成り立っています。どこかに負担を押し付け、自分たちは幸せに暮らしている。と、思い込んでいる。そういう人が、すごく多い気がします。
沖縄は今回の参議院の選挙においても、知事選においても、民意をはっきり示しているのに、というかむしろはっきり示しているから、政府から常にものすごく悪質な差別を受け、弾圧されています。現在は高江という場所にヘリパッド(ヘリの離着陸場)を、強行的に建設しようといて、住民が座り込みなどをして抵抗しています。その人たちの排除のため、全国から機動隊が投入されているそうです。参院選翌日に、資材搬入。だまし討ちのようなことをする政府のやり方は、自分たちが間違っている、と言っているのと同じです。僕らの税金が、沖縄をいじめるために使われています。でもどれだけそういうことがあっても、大手マスコミはほとんど報道しません。報道しても、「また沖縄の市民がうるさいことを言っています」という論調です。沖縄の人たちは武器を持っていないから(もちろん絶対持つべきではありません)、武力により殺されることはないでしょうが、やっていることは人権を無視すること、差別すること、暴力的に抑えつけることで、構造的には完全に東ティモールとインドネシアの間で起こったことと同じ。
そして日本はご存知の通り、毎年3万人が自殺している国ですが、これもまた少数派は死んでもいい、という誤った考えの結果です。1億何千万人かいる中の3万人は、少数で、たいしたことのない数字なのでしょうね。その3万人はどの人も誰かの子だし、誰かの親だったか、誰かの友達です。そうやって命を落とす人が10年で、30万人でしょう?こうやって、一人一人を大切にしない社会は、誰も幸せにしません。権力者たちもまた、こんな方法で幸せになんてなれないのです。こんな国なのに、「日本はいい国だ」と思っている人、多い気がします。制限された子どもの権利も、大人たちの劣悪な労働条件も、世界的にひどいレベルなのに。知ってください。日本を取り巻く状況は、非常に悪いです。一人一人の中にある平和を、愛を、理解を、日々の中で育て、行動していく必要があります。大切に今を、生きましょう。 健

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