ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 259号

いつもありがとうございます。今日は記事2つアップしました。
これは先週のひとつぶ便りです。

キシャヤスデ大発生中!!

ひとつぶ便り 259号(2016年10月21日便)
 いつもありがとうございます。冷え込んだり、暖かくなったり、季節の変わり目の真っただ中ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。こちらも、7℃とか、一けたまで下がる日があったり、昼間は半そででも暑い日があったり、色々です。ここ一週間くらいは割と暖かく、夜もストーブをつけないでいられます。とは言え、空気は秋です。山も色づいてきました。このあたりはカラマツがたくさん植わっていますが、カラマツは杉や他の松などと違って紅葉するし落葉もします。「カラマツ」を「落葉松」と表記する場合もあるようです。「唐松」が一般的な表記だと思いますが。全国各地の杉林のように、もともとは木材用に植えられて、現在は放置されているカラマツ林がたくさんあります。間伐もろくにされず、荒れているところがほとんどなのでしょうが、紅葉はなかなかきれいです。緑から、茶色っぽくなり、オレンジというか黄色というかに色づいていきます。ちなみに、うちで使っている薪ストーブは「カラマツストーブ」というもので、ストーブでカラマツを燃料として使うことで、荒れた森を手入れしよう、というようなコンセプトのもとに作られたもの。針葉樹は広葉樹に比べて燃やすと高温になりやすいそうですが、その中でもカラマツは特に温度が高くなって、ストーブが傷みやすいのだとか。それが、シンプルで頑丈に作られているこのストーブは大丈夫、というのが売り。まぁ何十年も使っているわけではないので実際のところわかりませんが(笑)、僕ら夫婦が暮らし始めた時から使っている、生活の中に無くてはならないものです。特にこれがいい、と選んだわけではなく、縁あって出会い、使っているものです。

 今週も、葉物を中心にお送りします。色々育たず、播き直し、その後長雨もありましたが、ラディッシュがほとんど割れてしまった以外は特に問題も無く育ってくれている感じです。今シーズンはいつまで出荷が続けられるかわかりませんが、11月いっぱいくらいはやりたいなと思っています。

酒蔵始まりました。
この冬も、近くの酒造会社「黒澤酒造」で働くことになり、月曜日から働きにいっています。酒造りをする蔵人たちは基本的に決まった休みはないので(希望を出せばどうにかしてくれる)、しばらくは時々休みをもらいながら、畑と並行してやっていく感じです。今年で4年目。メンバーは毎年少しずつ変化がありますが、大体はおなじみのメンバーという感じなのでそういう慣れもあり、仕事もそれなりに覚えてはいるので、そういったことは特に問題を感じませんが、ただ「勤める」というだけで、自分の畑の上で働いている時にはないストレスを感じます。普段は感じない自分の心の動きに気づく機会があったりもします。まぁ、毎年結構楽しくやらせてもらっているので、今年もそんな感じでやっていけたらなと思います。

キシャヤスデ大発生中
 家のすぐ近くの畑に、ムカデのような虫が大量にいて、なんだこれ!と思って調べたら、ヤスデの一種で、どうやら「キシャヤスデ」という種類のようです。虫の大発生なんて、あまり良いことではない場合が多いですが、ヤスデは、基本的に8年に1回の間隔で大発生するような生態だそうです。ひとつぶ農園は8年目ですが、いま大発生中の畑は8年前には使っていなかったので、8年前このあたりでどうだったのかは知りません。大発生は成虫になったヤスデたちが交尾の相手を探す「お見合い」みたいな感じだそうです。キシャヤスデの成虫は、オレンジに黒い縞が入っています。これがうようよしているのは虫嫌いの人は卒倒しそうな光景だし、この文章でも恐ろしいのでしょうね(笑)。しかし大好きで研究していたり情報を集めている人もたくさんいて、ネットで少し探しただけでも愛のあるヤスデ情報をたくさん目にすることができます。このヤスデという生き物、野菜などを食害することはなく、人を刺したりすることもなく、枯れ葉などの有機物をたくさん食べ、分解するそうです。そして大量の糞を残す。「森の掃除人」と呼んでいる人たちもいるようです。さらに、土の中を移動することによって、土の物理性も良くしてくれるとか。こういう役割を聞いていると、分解者の代表格、ミミズ様の存在が頭に浮かびますが、この大発生時の分解能力は、ミミズをも凌駕するようです。ちなみにそのミミズは、10アールあたり10万匹もいれば、年間一トンの土を耕し、5トンの糞土を残すとか。すごい!!
ちなみに「キシャヤスデ」というのは、僕らの最寄り駅「八千穂駅」も通っている鉄道「小海線」の列車が、1976年の大発生時に線路上で踏まれたヤスデの体液で列車がスリップしたことに由来するそうです。1984年と書いてある記事もありましたが、ちょうど8年後ですね。僕らは電車はほとんど乗らないので知りませんでしたが、時々小海線を利用する友人によると、今もヤスデによって電車が止まることがあるそうです。列車のスリップはどうやら僕らの住んでいる場所よりもっと標高の高い、車で行けば30分~1時間くらいのところの話で、勾配の強い坂が、止まれなくなる、という感じのようです。
色々な生き物たちのおかげで、そこに土がある。自然がある。ヤスデはそういうことを特に意識しやすい生き物かもしれませんが、それぞれの生き物が、深いか浅いかの差はあれ、それぞれ関係し合いながら、依存し合いながらそこにいます。一般的に、農業では農作物を食べるような虫、病気を媒介するような虫は「害虫」と呼び、そういう虫を食べたりしてくれる虫を「益虫」と呼びますが、それぞれの関わりを深く広く、しっかり見ていくのならば、その呼び方はあまり適切ではなくなっていくと思います。表面的な害と益にとらわれ、全体として破綻の方向へ向かっているのが現代社会であり、その中にあるのが現代農業です。また、特に目に見える害も益ももたらさない虫たちによって、色々なことが担保され、支えられているのだと思います。そういうものたちは害も益ももたらさないという理由から、研究されることが少なく、研究に対してお金も出ない。だからといって、そのものたちの働きは間違いなく僕らと関係があるし、そのものたちが理解されようとされまいと、その命の価値は変わりません。いつでも最高です。僕らに必要なのは虫や菌を殺戮する技術ではなく、土や全ての自然に対する感謝と、大切にする心。そしてそれに伴う行動だと思います。その行動は、僕ら人間の命を大切にすることそのものです。
化学肥料を使えば、野菜は大きくなるそうです(使ったことはありません)。そうして大きくなって野菜の大部分は、化学肥料によって成り立っています。例えばそれは、元はどこかの鉱物なわけです。それが掘り出される場所は自分の国の中であることもあるし、どこか外国であったりする。鉱物そのものはもちろんのこと、その場所に暮らす動植物、場合によっては人への配慮も為されず、それは掘り出されます。世の中に出回っている野菜のほとんどが、そういう肥料で育ったものです。「国産野菜」と言いながら、他の国から奪ってきた何かが、その野菜の多くの部分を占めています。もっともっと、動物にも植物にも、虫にも人にも、優しい世界であって欲しい。やれることを精一杯、やっていきたいです。  健
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