ひとつぶろぐ

長野県南佐久郡佐久穂町(旧八千穂村)、有機野菜の「ひとつぶ農園」のブログ。

ひとつぶ便り 264号

いつもありがとうございます。更新サボっていたのでまとめてアップ、4本目。
定期便としては今シーズン最後の出荷のお便り。今シーズンもありがとうございました!

ひとつぶ便り 264号(2016年11月25日便)
 いつもありがとうございます。5月からお送りしてきたお野菜セット、今シーズンは今回が最後のお届けです。例年は12月いっぱいか、1月も少し送らせていただくときもありますが、今年は秋冬野菜がうまく育たなかったので、11月で終了となります。今シーズンもひとつぶ農園の野菜をたくさん食べていただいて、ありがとうございました!また来年の5月からも食べていただけたら嬉しいです。
 11月10日に、この時期としてはものすごく強い霜が降りたものの、その後はまただいぶ暖かくなり、ここ2週間くらいは過ごしやすい気候でした。今日(23日)から、だいぶ冷え込んでいます。今夜から明日の朝にかけて雪が降るという予報もあります。
 高熱が一週間ぐらい出ていたり、だいぶ長引いていた僕の風邪ですがもうすっかり良くなって、元気に過ごしています。健康のありがたみを感じています。風邪をひくのも、治るのも、自然の働きの一つであって、それもまたありがたいなと思います。どんな病気や身体の痛みも、生活の中の積もり積もった体や心の負担とか、崩れたバランスとか、そういう何かの表れ。病気や痛みはそれを知らせてくれるサインだったり、バランスを調える作用そのものだったりするのだと思います。

虚構と現実

 現代に生きる僕らは誰も、ものすごい勘違いの世界に生きているような気がします。虚構の世界に生きている。「人は水が無ければ生きていけない」というのは現実だけど、「人はお金がなければ生きていけない」というのは現実ではありません。でもお金が現実のものと思っている人がほとんどで、実際にそれがなければ生きていけない、というような世の中の仕組みが出来上がっています。僕の目の前にあるこのパソコンにせよ、多くの人が持っているスマホや携帯電話にせよ、今この場所にある現実から意識を引き離す道具です。息を吸って、吐いて、僕らは今生きています。心臓はここで動いています。それが、現実のはずなのに、それはほとんどの人にとって、とるに足らない、意識されることのないこと。何十兆もの細胞が生まれては死に、死んでは生まれながら、人が人と呼ぶこの体が作られているのが現実なのに、その事実に触れず、作られた世界に僕らは生きています。それが楽しいと思い込んで。現代の日本人の多くが、自分の命の力も、自然の力も、色々な神様や宗教も信じないのに、血液型や占い、お金に関しては手放しで信じ切る姿勢があまりにもひどいと思います。全く根拠のない血液型による性格分けによって人を簡単に差別、するなんてことはあってはならないことですが、日本では当たり前のように実に多くの人が日常的にやっています。
 ところでクリスマスまで1か月ですが、「サンタさんをいつまで信じてた?」なんて質問があって、これはサンタさんがいないと思っている人が発する言葉ですが、サンタさんを信じる子どもと、お金を信じる大人たちは何か違うのでしょうか。お金はみんなが信じているからお金として存在するもの。サンタさんを信じる子ども達がいるから、プレゼントが届きます。サンタさん、いないんですか?サンタさんがいないというのなら、お金だって存在しないもの、ということになります。というか僕はサンタさんはお金よりはよっぽどリアリティーのあるものだと思います。信頼によって成り立っている点は共通していても、それ以外に何もないお金と違い、サンタさんに関しては実際にいた人がモデルだし、今もいるし。グリーンランドかどこかに。そうサンタさんは、います。
 国だとか国籍だとか国境だとか、そういうのも全部虚構です。日本だとか、日本人だとか、そんなことで誰かを苦しめ、自らが苦しみ、なんてことを繰り返すのは本当におかしなことです。かつて、大陸を広大な範囲、自由に移動しながら生活していたアフリカの民は、欧米の人々に勝手に引かれた「国境線」により、移動を制限され、民族の、命の危機に瀕しています。そこに国境線があるということよりも、例えばそこに木が生えている、ということこそが現実であり、その現実こそ大切にすべきものだと思います。今息をして、こうして生きていること以上に、大切なことはないと思います。


 少しずつ寒くなり、季節は真冬へと向かっています。畑にはまだ、寒さに強い葉ものたちは残っていたりしますが、もう少しすれば全てが凍てつく季節です。そこにある生命の活動はとても遅くなり、小さくなっていきますが、それは決して「終わり」ではありません。冬が終わりの季節であったなら、春は決してやってきません。気温がマイナス20℃になろうと全てが凍る土の上であろうと、動物たちはそれぞれどこかで生き延び、全てが凍る土の中で、小さな生き物たちはどうにか冬を乗り越えます。畑にいる虫たちも、もっと小さい生き物たちも、ずっとずっと、何百年も何千年も、もっと長い間か、そういう季節を乗り越えてきたのでしょう。植物は多くが枯れても種という形で生き延び、地上部は枯れても地下茎は生き延びるものもあり、また麦のように、地上も枯れずに青々としたまま冬を越えていくものもあります。全てが凍てつく世界の中でなお、命は続いています。
 農園を始めた頃、「ひとつぶ農園」という屋号について少し考えていたとき、そこには漠然と「冬」のイメージがありました。種から始まった植物の一年が、種となってまた次の年に続いていく、というのが意識しやすいのが「冬」でした。静かで、少し寂しい感じもして、だけどそこには力強い命の輝きが見えます。冬の空気、冬の土、それもまた好きです。

 厳しい冬を越えてきたのは人もまた同じです。僕らの住むこの場所は、地震や台風などにはなかなか強く、山の斜面に住んでいる僕らは洪水などの心配も少ないですが、寒さは毎年が災害みたいなものです。マイナス15℃を下回ることが、何度もあります。外にずっといれば、命を落とす寒さ。恐ろしいものです。例えばこの地でホームレス生活、というのは無理だと思います。寒いから。そんなこの地の寒い冬ではありますが、薪ストーブと薪と、食料があるので生きていけます。
 今年2月、一年のいちばん寒い時期に産まれたはるちゃんは9が月になりました。よく食べ、よく飲み、よく遊んで、もりもり成長しています。もうだいぶ、「赤ちゃん」という姿から「子ども」へと変化してきています。最近はつかまり立ちが得意です。僕ら夫婦と、葉菜ちゃん(小1)、花野ちゃん(4歳)、そしてはるちゃんの5人家族、おかげ様でみんなで楽しく暮らしています。土、太陽、雨、風、空気、生き物たち、小さな生き物たち、人、僕ら家族は僕ら以外の全てのもののおかげで生きています。ありがとうございます。こんなに素敵な今を、ありがとうございます。                 健

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